妻や子供(息子&娘)、趣味の旅行やウクレレなど、続けることが苦手な親爺が時々書き込むブログです。

2015年02月17日

アランセーター(フィシャーマンセーター)その3

実際に漁師たちの着ていたセーターは、ほつれたり
穴があいたりしてボロボロになっているものも少なく
ないようでした。なんせ作業着ですからね。

昔の漁師たちが着ていたセーターは、私たちの着ている
セーターと違って、油脂分をたっぷり含んで、撥水性が
あり、保温性もありました。

これは、今と昔の羊が違うわけではありません。羊から
刈られた毛は、垢や埃にまみれてかなり汚れています。
もちろんウンチなんかも付いてかなり不潔なんですね。
この汚れた原毛からウンチなどを取り去り、ハンドカー
ダーでほぐして糸を紡ぎます。※現代では、洗浄して
脱脂し、綺麗にします。現在のオイルドセーターは、
この後オイルを添加するものが殆どでしょう。

だから毛糸には、かなり羊の脂分が残っていたんですね。
これが、お洒落な言い方をするとオイルドセーターと
言われる物です。この脂分が海水をはじいてくれるのです。
しかしそれだけでは、撥水性があっても風を防ぐことは
出来ません。

何度も漁に出て、海水で濡れているうちに毛糸がフェルト化
してきます。そしてセーターの編み目が詰まってくること
で、しっかり風を防ぐことが出来たようです。

愛妻が、新しいセーターを編んでくれても、新しいうちは
きっと寒かったでしょうね。余談ですが、古い写真などを
見ると、ナチュラルカラーのアランセーターも少なくあり
ません。その2では、教会用と書きましたが、実際には
ナチュラルの方が多かったでしょうね。そのままですから。
それにホワイトと言っても現代のホワイトと違い、オート
ミールに近い色だったでしょう。

また、昔のアランセーターは、実用性重視だったので、実は
編柄もへそより上の方だけという物もありました。
今と違ってセーターもズボンの中に入れていたんです。
その方が暖かいでしょ? ズボンの中に入れるなら編柄は
ゴワゴワしてちょっと邪魔くさいと思いませんか?

漁師たちはこんな感じにセーターを着ていました。

005.jpg

posted by Amazing Dad (アメージング ダッド) at 10:36| 福岡 ☁| セーター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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